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総意のモニュメント

創作短編

  総意のモニュメント 

小田原の自治基本条例の検討過程を通じて、思い出した、ある短編物語があります。


 ある彫刻家が、町を象徴するモニメントを町長に頼まれました。それを見て、みんなが未来のまちづくりに夢を描けるようなモニュメントです。自分のアイデアで一気につくろうとも思ったのですが、みんなの総意で作れと言われたので、部分部分をみんなにも作ってもらう事にしました。

 ある人は魚の形。ある人はミカンの形。リンゴの形。梅の形。ある人は泳ぐ人の形。 ・・・・もう、まちの人数だけの形が出来て、全部つなぐと何の形だか分からない塊になってしまいました。そこで、ミカンも梨もリンゴも果物としてまとめる・・・梅も桜も花としてまとめる・・・そんな風に抽象化していく事にしました。それを繰り返したら、きっとみんなの「総意」になると思ったからです。

 骨格のモニュメントをつくり、みんなに示して、気に入らない所は削ってもらう事にしました。骨格モニュメントは、みんなが文句をつけて、腕がもがれ、枝が削られ、だんだん小さくなっていきました。

 不都合な所が削られつくして、しっかりした「総意」のモニュメントができました。除幕式で現れたのはなんと、町の名前が小さく刻まれたゆがんだ石でした。どこにでもある町の看板みたいです。

 それから数年が立ちました、駅前の看板が未来を切り拓くモニュメントである事は、今は誰も知りません。

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