【木工ろくろ】 器のお尻は洗う人のため

木工旋盤で器つくり。ヒノキの深皿をつくりました。

さて、木のお皿やお盆は裏面に「いとじり」と呼ぶ円形に凹んだ部分があるのをご存知でしょう。ここで、回転する機械に取り付けて削る訳で、ないと旋盤の機械にとりつきません。

でも、この糸じり・・・・洗うときには、どうも汚れが貯まりやすい。頻繁に洗うような日用品では、ここの水をとりにくい。洗う立場の方から文句が・・・

で、いとじり の所を削ってなだらかにした器を作りました。他にも自分のつくるものは、できるだけ洗いやすい器を心がけています。

この部分、どうやって削るか。機械に取り付けるには、いろいろ技がいるのです。チャックと言う機械式でも、真空吸引の機械でもできるけど、面倒・・・。 自分の所では、こんな風に「形木」にはめ込んで取り付けます。

簡単なようで、裏表の軸がそろわないと、いびつになります。金槌のひとたたき・・でぴたりと定位置に・・って訳にいかないので、苦労するのです。

こんな、工夫のある器はどうしても高価になる。でも、それだけ使いやすいと思います。器を購入される時、こんな工夫のものは、高くても買ってくれると、工芸家達は一生懸命工夫をすると思います。

器の表面は、周りで見てる人のため。
器の内部は、食べる人のため。
器のお尻は、洗う人のため。

なのかも知れません。器のお尻も良く評価してやってください。

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ヒノキの深皿。左は「いとじり」がそのまま残っています。右は削ってなだからにしてあります。洗うときに楽・・
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こんな風に形木に被せて固定して削ります
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こんな風に、形木の枠にはめ込む場合もあります。いずれにしても、軸がびたりと合わないと削れない。

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竹の小鉢製作

年末、ひのき工房では竹の小鉢づくりをします。おせち料理に使います。

高さ4.5センチ、直径5センチ程。この緑色が正月らしい雰囲気にします。生きたままの竹です。

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基本的に手作業です。電動では、どうしてもささくれができます。また、竹の良い部分を見分けるには手仕事しかない。

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並行に切るのが難しい。簡単な治具をつくって切ります。ささくれないために、紙のような胴付き鋸を使います。

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切り口が水平で、ささくれなく、スパッとした感じに切るのが大切です。

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竹は上にいく程に細くなりますから、色々な直径ができます。この中から、規格の大きさのものだけを選びます。10個つくるのに20個は切って、その中から良い物を選びます。おせちに使わないのは、漆塗りに回します。


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切り口は、少しだけサンダーでバリ取りをします。

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竹は、こんな形で山から採取してきます。ちょうど良い径の所だけしか使わないので、一本の竹からせいぜい2個程度しか小鉢ができません。

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竹は、下曽我の森で採取させてもらっています。ここの竹は、昔ものさしをつくっていた良い竹です。でも、竹が使われなくなって、竹が繁茂して、山が荒れています。もっと竹を切って使えば、山が再生します。小鉢つくりの筈が、どうも竹伐採、山再生の方に気が向いてしまい、竹を切りまくりました。

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できた小鉢は、丁寧に洗って、水に浸けて保存します。空気中に乾いたまま置くと一日で色が黒ずんでしまいます。切って、すぐ納入して、すぐに料理に使わなくてはいけないので、鮮魚ならぬ「鮮竹」です。緑色の竹は、細胞はまだ生きています。

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小田原の料理屋さんで、こんな具合に使ってもらっています。以前は京都から取り寄せていたそうですが、地元のものを使ってもらえて有り難いです。

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半月スタンド製作

森谷工房(ひのき工房)の木工品「半月スタンド」です。ヒノキの間伐材丸太を半割にして、かまぼこのように切って、磨いて、鋸で切れ目を入れてあります。

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大きなものは、葉書用、中がLサイズの写真、小が名刺サイズのカードを挟み込みます。フォトスタンドとして、陳列商品説明用、会議のネームスタンド、予約済み・・・色々使えます。

先日、急に電話で注文が来て、「200個つくれ〜・・・3日以内、12月15日まで・・」との事。何やら贈り物に大量に使うらしい。必死でつくりました。

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半月にするのは機械でやるとして、最後の溝入れは手でしかできません。紙の薄さに鋸目を入れるには、胴付き鋸で手作業するしかない。 丸太から全部作り終わるまで一日かかってしまいました。


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鋸が曲がると、飾る写真が水平になりません。感覚だけで水平をとって切るのは案外と難しい・・・

ひのき工房のコンセプトは「木のおさしみ」「木の活け作り・・」です。木の良い所を取り出して、切って、そのまま飾る。意匠や造形はできるだけしない・・というか、していないように見せかける。誰でも作れそうで、妙に難しいってのを目指しています。

今回は、急ぎでしたので、良い物が出来ませんでしたが、こんな簡単なものでも、良い木の良い部分に遭遇すると、それだけで美しい・・100個に一つくらいでしょうか。節や、年輪、木目を楽しんでもらう。

ひとつ100円前後です。大きさや木目によって色々です。急に言われても、材料がない時もあります。

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